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『オリガミ』つくろっ!


 

「ゲイシー、それなんですか?」

 普段通り派手なワゴンでフリーク街へ戻ってきたゲイシーが、なんだかいつもと違ってにこやかだったので、ジャックは何の気なしに尋ねた。よく見ると、大切そうに両手に小さな何かをくるむ様にして持っている。

「あぁ、これですか?みてください。素敵でしょう?」

 ゲイシーはとても嬉しそうに両てのひらを広げて見せた。そこにはピンク色の紙でできていた、鳥のような飾りがあった。

「今日店に来たお子さんからもらったんです。『オリガミ』って言うんですって」

「へぇ~!とっても可愛いですね!」

「おや、おかえりゲイシー。素敵なものを持っているじゃないか」

 フリーク街の外から帰ってきたのだろう、たまたま通りすがったテッドが、ゲイシーの手に乗せられている『オリガミ』を見て微笑んだ。

「えへへ……いつもおいしいアイスをありがとう、ってくれたんです。なんでも東方の文化だそうで、これ、一枚の紙だけで折られてるんですって」

 ゲイシーがなんだか照れくさそうに微笑みながら、かつオリガミの巧妙さに興奮した様子で話す。

「え!こんなに綺麗な鳥さんが、たった一枚の紙で!?」

「本当に?切ったり貼ったりするものじゃないのかい?」

「はい、そうみたいです。しかも東の国だと、このぐらいなら、小さな子供でも作れるとか」

「へぇ、本当におもしろいねぇ」

 テッドは本当に美しいものを見る目でオリガミを眺めている。

「子供たちにもできるんだったら、私たちにもできますかね?やってみましょうよ!『オリガミ』!」

 ジャックは楽しいものを見つけた!と全身で表現するようにぴょんぴょんと跳ねている。

「でも、作り方も分からないのに?」

「あっ、確かにそうですね……」テッドの疑問にジャックは唸る。

「でもでも、これをじっくり観察すれば、何とかできるんじゃないすか!?」

「分解だけはやめてくださいね!私、ワゴンに飾ろうと思ってるんですから……」

「そんなことしませんよ!見るだけ!ものは気合いで試しです!見ながら3人でやりましょうよ、『オリガミ』!」

「はぁ、こう言ったらジャックはきかないね」テッドもまんざらでもない、という顔でオリガミを見つめた。「ぼくもやってみたくなってきた」

「確かに、見れば見るほど複雑なのに、どうしてこれが1枚の紙でできるのかは気になるんですよね……」

 ゲイシーも仕事の片づけを終えたようで、改めてオリガミを見つめた。

「やってみますか、『オリガミ』」

「わーい!」「やろうやろう」

「ところで、紙はどうやって用意しましょう?そもそも長方形でしょうか、正方形でしょうか……」

 ゲイシーが唸っていると、ジャックが閃いたようで手を叩いた。

「ハーマンのところから拝借しましょう!きっといろんな種類があるから、何度も挑戦できますよ!」

「えっ」

「それもそうだ。彼は紙を持て余しすぎている。少しぐらい使ったって構わないだろう」

「えっ、ええ~~!!」


 

 その後、『オリガミ』に四苦八苦していた3人の背後から、怒り心頭のハーマンにどやされることとなるのは、そのしばらく後のお話……。

​おしまい

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